こんにちは。今回は「マーケティング」というものについて、中学生でもわかるように説明する試みです。小学生では習わない言葉もあるかもしれません。
マーケティングとは
マーケティングとは「なんかめっちゃ役に立つものを作ったから、この価値をみんなに知ってもらおう。そして欲しがる人を増やして、販売して稼ぐぞ」という活動です。
あるところに、紙飛行機が大好きな太郎くんがいました。
太郎くんは紙飛行機の折り方を毎日毎日研究して、すごく遠くまで飛ぶ紙飛行の折り方を開発するに至ります。従来の紙飛行機は2mしか飛ばないのに、太郎くんの作った紙飛行機「太郎号」は、なんと5mも飛びます。
すると太郎くんは太郎号をひとつ100円で友達に売ることもできるし、「太郎号の折り方」という情報を500円で売ることもできます。こういう売り物を「プロダクト」と言います。
あるいはお金なんて取らずに太郎号の折り方を無料公開して、バズったあとに「こんなすごい紙飛行機を小学生で開発した僕の生き方や考え方」を喋る講演会を、参加費500円で開くこともできます。これもプロダクトです。
そんな太郎号を取り巻くいろいろなプロダクトを広めるために、友達の口コミだけでは限界があるのでチラシを作ったりもします。これを「プロモーション活動」と言います。
あとは太郎号の折り方を教えたけどうまくいかない人にアフターフォローをしたり、販売した太郎号が壊れた人には無料で交換したりするような、お客様対応を考えておくことも必要です。
こういった「太郎号」を取り巻く「プロダクト」や「プロモーション活動」「お客様対応」など「サービス全体」のことをひっくるめて、人々は「ブランド」と呼びます。
そんな太郎くんのブランドの商品は、紙飛行機が欲しい人にとっては少し売れましたが、伸び悩みます。今のところ「紙飛行機」に価値を感じない人にとっては全然興味を持ってもらえませんし、そもそも紙飛行機は自分でも折れるし、飛ぶ距離が2mから5mになったところで、そこまでの価値を感じてもらえないみたいです。
でも太郎くんは「太郎号」を広める活動をする中で、こんなことに気づきました。
「もしかすると、太郎号の価値は5m飛ぶことではなくて、コミュニケーションを活性化させることなのかもしれない」
友達とは紙飛行機を通して語り合うことが増えました。買ってくれた人は笑顔になり、他の友達に自慢したりしています。講演会はあまりうまく喋れなかったけれど、最後にみんなでやった紙飛行機大会はとても楽しかった。
太郎くんは「太郎号」を、小学生同士の友情や繋がりを強くするコミュニケーションツール、つまり「友情ブランド」として再定義しました。
友情をイメージしたカラーバリエーション展開の「太郎ブランド」の折り紙を発売したり、紙飛行機をアイコンとした、友情を表現する様々なアイテム展開が考えられます。
こうなると、これまで紙飛行機に興味がなかった人たちにも、自分の大好きな紙飛行機の素晴らしさを届けられるかもしれません。
紙飛行機になんて興味がなかった人たちも「太郎号ってイケてんじゃん、俺たちも作ってみんなで交換しようぜ」となるかもしれません。その人たちが太郎号を通して紙飛行機に興味を持ち、周囲の人と友情を深められたら、
このように、自ら作り出したサービスやプロダクトの本質的な「意味」や「価値」を定義し、広め、人々へ届けていく活動を、マーケティング活動と言います。
まとめ
マーケティングには戦略やら戦術やらなにやらありますが、本質は「価値を定義し、届けること」につきます。
デジタル広告を打つことを「マーケティング」と呼んだりする文脈もありますが、それはほんの一部の「プロモーション活動」に過ぎません。
なのでもしも「将来マーケティングがやりたいなあ。なんかかっけえなあ」と漠然と思っているならば、「自分で何かを作り、広め、喜んでもらう」ということを、なんでもいいから試してみてください。